杉は本来、柔らかくて日本人にとって極めて身近な木です。日本の木質文化を支えてきた重要な部材です。ところが、その杉も今ではまるで厄介者です。今から60年前、戦後復興のために北海道を除く日本中の山という山に大量の杉が植えられました。しかし、近年多くの安い輸入材に押され 、その目的を果たせず放置されたまま、しかも間伐されず年老いていきます。このままでは日本の山は壊滅します。私達はそんな杉をもう一度、蘇らせようと思います。この頃 、常識では考えにくい、事件が多発します。それは人が優しさを失ったから。ひょっとしたら、日本から優しさが消えた日それは杉が消えた日だったのかもしれません。
自然の湧水と自然の木が触れ合って色めき立ってきました。 それは自然と自然が共鳴して新しい表情をしてみせたのです。 それが鉱泉染めという新しい木材着色のイメージです。 それはある日、といっても気がとっても遠くなるような昔、何かのせいで木が倒れ、長い年月をかけて土中に埋もれさらに長い時間土中にあったものが 偶然に再び姿を表すことがあります。 その時、素の色は消え、新しい色に変化しています。 それを「埋もれ木」と呼びます。 鉱泉染めはその「埋もれ木」の現象を自然の力で再現する着色技術です。
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